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味噌由来の乳酸菌「蔵華(くらはな)乳酸菌LTK-1」が
免疫調整機能を持つことを発見
~科学雑誌「PLOS ONE」にて論文発表~

プレリリース

2019.01.07

 イチビキ株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:中村光一郎、以下イチビキと記す)は、国立大学法人東京医科歯科大学難治疾患研究所の安達貴弘准教授との共同研究にて、味噌に含まれる微生物の中から、免疫細胞の1つであるB細胞に直接作用し、B細胞を強く活性化する新しい作用の耐塩性乳酸菌を複数発見しました。これらの乳酸菌は強い免疫調整機能を有しており、健康に有益な作用をもたらす乳酸菌であることが期待されます。

 この研究結果は、2018年12月26日に科学雑誌「PLOS ONE」にオンライン公表されました。

■論文タイトル

Isolation of immune-regulatory Tetragenococcus halophilus from miso

 

■論文タイトル和訳

免疫調整機能を有する乳酸菌テトラジェノコッカス・ハロフィルスの味噌からの分離

 

■掲載先URL

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0208821

 

■要約

 イチビキは、国立大学法人東京医科歯科大学難治疾患研究所の安達貴弘准教授との共同研究にて、味噌に含まれる微生物の中から、免疫細胞の1つであるB細胞に直接作用し、B細胞を強く活性化する耐塩性乳酸菌(テトラジェノコッカス・ハロフィルス)を複数発見しました。これらの乳酸菌は細胞培養試験によりB細胞から様々なサイトカイン(インターロイキン10、インターフェロンγ、インターロイキン22)の産生を高めることを世界で初めて見つけました。また、T細胞も活性化することを見出しました。これらの乳酸菌のうち、No.1株(イチビキより「蔵華(くらはな)乳酸菌LTK-1」と称して上市、以下LTK-1と記す)をマウスに摂取したところ、血清及び糞便中のIgAが有意に増加し、また、抗原を投与すると、抗原に反応して産生される特異的抗体(IgG)が有意に増加しました。よって、これらの乳酸菌は強い免疫調整機能を有することが示され、健康に有益な作用をもたらす乳酸菌であることが期待されます。

今後は、これらの乳酸菌の作用メカニズムや更なる効果を検証していくとともに、ヒト臨床試験により確かな証拠を持った健康素材に育ててまいります。

 

【主な研究結果】

●乳酸菌摂取により血清IgAが上昇

 LTK-1をマウスに2週間経口摂取したところ、血清中のIgAが有意に上昇しました。このことよりLTK-1摂取により、全身の免疫力が向上することが示唆されました。

 

 

                        

●乳酸菌摂取により抗原に対する免疫応答が上昇

 LTK-1をマウスに経口摂取を開始してから2週間後に、抗原(オボアルブミン)を腹腔内投与したところ、投与後の抗原特異的抗体価(IgG)が有意に上昇しました。このことよりLTK-1摂取により、抗原に対する免疫反応が向上することが示唆されました。

 また、抗原投与してから4週間後に再度抗原を腹腔内投与したところ、再投与後の抗原特異的抗体価(IgG)が有意に上昇しました。このことよりLTK-1摂取により、免疫記憶能が向上することが示唆されました。

 

 

【用語の解説】

  ●B細胞

白血球の成分であるリンパ球細胞の1つ。体内に侵入した病原体を排除するために必要な抗体を産生する唯一の細胞で、体液性免疫において中心的な役割を果たす。

●サイトカイン

免疫細胞から分泌される低分子タンパク質で、細胞間の情報伝達の作用を担う。

●インターロイキン10

サイトカインの1つで、強力な抗炎症作用を有することが知られている。

●インターフェロンγ

サイトカインの1つで、ウイルスなどを攻撃するキラーT細胞やマクロファージの細胞性免疫能を増大させることが知られており、免疫賦活化に作用することが知られている。

●インターロイキン22

サイトカインの1つで、組織修復、細胞生存・増殖、粘膜バリア防御に関与することが知られている。

●IgA

B細胞が産生する抗体の1種で、主に腸管、鼻腔、肺の気管支などの粘膜で作用し、ウイルスや細菌に結合し、生体内への侵入を防ぐ役割を果たす。

●IgG

B細胞が産生する抗体の1種で、血中や組織中に広く分布して生体防御を担い、細菌や毒物に結合して無毒化する。

●免疫調整機能

病原体などの異物が侵入したときには、異物を除去するために免疫細胞による免疫反応を強め、一方で、アレルギーやアトピーなどを引き起こす不適切な免疫反応には抑制するようにはたらき、適切な状態が維持できるように免疫応答のバランスを調整する機能。

●免疫記憶機能

一度病原体などの異物(抗原)が侵入して抗体が産生されるとその記憶が保持され、再び同じ抗原が侵入したときに迅速に強い免疫応答を示す機能。

●テトラジェノコッカス・ハロフィルス

塩分の高い環境で生育できる植物性乳酸菌で、味噌や醤油などの発酵食品に含まれている。

 

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